パルミーと通信大学でイラストの勉強を試してみて感じたこと
Twitterではあまり話題に出していなかったが、2020年秋~2021年春にかけての6ヶ月間、パルミーというお絵描き講座サービスに登録していた。
2021年春から現在はパルミーは一旦解約して京都芸術大学イラストレーションコースという通信大学(以下KUA)に入学している。
どちらも試してみた上でそれぞれのメリット・デメリットとして自分が感じた点について考えの整理も兼ねて書いてみる。
なお、いずれも期間中毎月欠かさず活用している、というわけではないので熱心な人の視点からはまた別の意見があるかもしれませんがあしからず。
料金
パルミーは月額制で料金は2プランありそれぞれ下記の通り
- 1ヶ月プラン:月12,000円
- 6ヶ月プラン:月9,800円
それぞれ1年間利用したときの年額は
- 1ヶ月プラン:年144,000円
- 6ヶ月プラン:年117,600円
KUAは学費は1年分一括で年323,000円
6ヶ月プランだと20.5万、1ヶ月プランでも17.9万パルミーのほうが安い。
1ヶ月あたりで換算すると6ヶ月プランだと月17,000円強、1ヶ月プランで比較しても月15,000円弱はKUAのほうが高い。
ついでにKUAはAdobe CCの契約が必須のため、学割は使えるが普段Adobe製品を使わない人はその分も上乗せされる。
コンテンツ
パルミーは現時点で全192講座あり、定期的に新しい動画が追加されている。
過去の動画や新規動画も含め、契約していればいつでも何度でも自由に視聴することができる。
KUAは動画講義の科目が約30科目、その他にデッサンや立体造形等それ以外の芸術系科目が存在する。
KUAの一部講義は単位取得後視聴できなくなる。
動画の中身
コンテンツの中身については、KUAはほとんど全てしっかりした内容で勉強になる点が多い。
パルミーは役に立つ動画も多いが、全体数が多いこともありあまり参考にならない動画もある。
コンテンツに関しては大学の講義ということもあり京都芸術大学のほうが良い気がする。
動画の質
コンテンツはKUAのほうが良いと書いたが、動画そのものの質についてはパルミーのほうが(少なくとも現状では)良い。
KUAの講義動画は各講義・各動画・動画内の編集箇所前後等で明らかに音量が一定でなく、都度音量を調整する必要があり面倒くさい。
また音声にノイズが乗っていることが多く、自分がそういうマイクのノイズ等が非常に気になるタイプなのもあり、ソフトウェアミキサーで低音域・高音域をカットしていないと不快感で視聴に耐えられない動画が少なくない。
対談形式の講義動画とかあったが、正直まともに聞き取れない。
パルミーの方もそういった動画が無いわけではないが、視聴に耐えうる動画がほとんど(というかKUAは流石にノイズはともかく音量バランスすらちゃんと調整されていないのは謎)。
この辺はKUAはコース設立初年度ということもあると思うので、今後は改善されていくと思いたい。
添削・講評・評価
KUAは大学なので各講義ごとに課題を提出し、講評が帰ってくる形式。
受講した講義の数だけ実質的に添削を受けられるようなものなので、その点はメリット。
講義は四半期ごとに課題提出タイミングが設定されているため、締切駆動で作業するタイプの人は合っているかも。
一方で、現状では課題の評価担当者は講義担当者とは別の仕様のため、評価担当者によってコメントの質・量に大きく差があり運悪くハズレを引くと何も得るものがないようなコメントしか返ってこないこともある。
パルミーは6ヶ月プラン契約の場合は3ヶ月に1回添削を受けることができる。
逆に言えばそれ以上の頻度では添削は無く、1ヶ月プランでは添削自体受けられないので基本添削はおまけ。
パルミーを利用していて添削も頻繁にほしい場合は、別途sessaなどのサービスを併用すると良い気がしている。
たしかパルミーの定期添削サービスも最近はsessaで利用できるクーポンを発行する形式を取っていたはず。
Webページ
KUAの学習ページは大変使いにくい(今後改修される気配があるのでそのうち改善される気はする)。
パルミーは動画講座がカテゴリ別や難易度、新旧でソートできるので今のところ特に困った記憶はない。
動画再生でブラウザの拡張機能等を利用しなくてもデフォルトである程度再生速度が調整できるのもパルミーの利点。
コミュニティ
KUAはTwitterやdiscordなどで学生同士のコミュニティが存在するため、人と交流しながらモチベーションを維持するタイプの人に合っている。
パルミーは(自分が把握している限りでは)そういうコミュニティ的なものは存在しないと思うので、一人で黙々と取り組むことになる。
その他
学生という身分(KUA)
KUAは通信だが大学なので映画館等の割引がきくほか、すでに奨学金を借りて返済中であれば在学中は猶予手続きが可能。
奨学金は早めに返す理由が皆無なので返済は引き伸ばせるだけ引き伸ばしたい
あとKUAは卒業すると学位が手に入る。
課題の提出形式(KUA)
課題の提出方法が何故か配布されたPDFをAdobe Acrobatで編集して提出という形式が多い。
正直、Acrobatである理由が皆無なことがほとんどで、WordなりテキストファイルなりGoogle Docsなりでいいじゃんという気持ち。
フォトショやイラレが必要な講義がごく一部であることもあり、必然性のないAcrobatを利用した課題提出のためだけにAdobe CCを契約している感が強い。
両方試してみて自分が感じたこと
上記で色々比較して改めて感じたが、正直、現状自分の中ではパルミーとの差額である年20万円ほどの価値をKUAに見出だせていない。
もともと、奨学金の支払い猶予を使いながらイラストの勉強ができるという点に大きなメリットを感じてKUA入学したのだけど、直近昇給したこともありあまりこの点がメリットとして重視する必要がなくなったというのもある。
とりあえず年単位で学費を払っているので今年度中は真面目にやるが、休学料が年2万なので金銭面を考慮しても来年は一旦休学という方向で気持ちが固まりつつある。
休学中でも奨学金の在学猶予は受けられるので、再来年以降に復学・休学継続・退学のどれを選ぶかはその時の気分次第な気がする。